30年前ぐらいに、私の母は白髪に悩まされ始めました。持病があるため薬を服用し続けたのが原因だと思います。
仕事を持っていたために、白髪頭で勤務するのも気が引けて、毛染めをすることになりました。忙しい人なので、美容室で毛染めをする時間的余裕がないため、ドラッグストアで毛染め剤を買ってきて、自分で染めることになりました。
幸いショートヘアなので、簡単に染まりました。
でも、二週間ぐらい経つと、白髪が伸びて、ごま塩頭になってしまいます。その度に毛染めをしていました。まめな毛染めのせいでしょうか。母の髪は艶がなくなり、バサバサになってしまいました。
今のようなヘアケア商品がなかったので、本人なりに悩んでいたようです。
しばらくして、母は紙をベリーショートにしました。「もう私、髪を染めるのやめるわ。白鳥さんみたいに、真っ白な紙にするの。」と決意したのです。ベリーショートの髪が伸びて形が崩れるたびに、毛先をカットしていく方法で、自然と全体的に白髪にするというのです。
見苦しくなっている間は帽子をかぶって、宣言通り毛染めを完全にやめたのです。おかげで、髪の艶が良くなり、スタイルングも楽そうです。
でも、思わぬ誤算なのですが、白鳥のような神になるはずが、みにくいアヒルの子のようなグレーヘアになったのです。本人はがっかりしたようですが、友人たちにはウケがよく、気分をよくしたのか、いまだに毛染めはせず、自然体で過ごしています。